住むところを決める私の考え方

基本の考え方

自分の生活スタイルに合わせた場所に住むのが一番です。たとえハザードマップで真っ赤になっていたとしても、毎日そこに行かないといけなかったり、その場所に介護が必要な親戚が住んでいるなどあれば、近くに住んだ方がいいと思います。リスクは把握しつつ、その場所に住む選択肢はいいと思っています。

私の生活スタイルとしてリモートワーク中心、スーパーやドラッグストアめぐりが好きなので頻繁にいろんな店舗に行きたい、休日は電車での移動をしてお出かけもしたいという嗜好があります。こんな人が何をもとに居住地を選択したか整理します。

住む市を決める

ざっくり、関東、関西、中部、九州などを決めます。この時点では、深く考えることはないです。

次に、気になる地域をいくつかピックアップします。新幹線の駅があるところ、自然が多いところ、おしゃれな街並みがあるところなどなど。実際に電車や車から景色を眺めてどんな雰囲気のところがいいのかなと考えてもいいと思います。ここも難しくは考えずに「ざっくりこのあたり」「この路線のどこか」ぐらいでいいと思います。

最後に住む市を決めます。市を決めるときに重要になってくるのはその市の行政がどのような政策をしているのか見るのをおすすめします。市によって補助金や住民向けサービスが違ってくるので、似たような景観や沿線沿いであったとしても実際に生活すると、「隣の市の方が XXX という制度があってよい」ということ気づき隣の市の方がよかったとなることもあります。

わかりやすいのが補助金で、「XXX市 補助金」とかで検索するとすぐに出て来ます。自分が該当しそう、これからのライフイベントにおいて該当しそうと思われる補助金を確認します。差があれば、その差が自分にとって大きいものなのかを考えます。このとき、細かい条件(例えば、年収XXX円や費用負担の条件)に差があることもあるので注意が必要です。個別の特殊なケースにおいては、状況に応じて判断が分かれてくるので実際に市に問い合わせてもいいと思います。

補助金以外の住民向けサービスとして私が確認していたところとしては、「ごみの分別方法」「公共施設の予約条件や空き状況」です。普段生活していると必ずゴミはでてしまうので、その分別方法が複雑であったり出しづらいルールであれば生活しづらくなります。公共施設をあまり利用しない人もいると思いますが、市民に対して提供しているサービス品質指標の一つになると私は考えているので、利用しないと考えている人も見てみるといいと思います。

コミュニティバスが運行している地域であれば、そのルートや時刻表、料金についても確認するといいと思います。コミュニティバスは、行政がどこを重要視しているか、その市の中でどこに住む人が多いのかという指標になります。当然、バスの運行本数が多い方が便利ですし、人が多く住んでいるところにはその人たちに必要な施設(例えば、銀行、郵便局、病院、コンビニ) が集まって来ます。数ヶ月住むだけなら気にならないかもしれないですが、長く住むとなるとこれらの施設を利用することとなり遠いと不便です。

市内の住む場所を考える

1. ざっくりの希望の場所候補をつくる

私の場合、よく利用する施設が「スーパー、ドラッグストア」「駅」だったので、両方が揃っている場所を探します。調べるのは難しくなく、 Google マップ で「スーパー」と検索してピンが多そうな地域を確認します。このとき駅も合わせて表示されるので一緒に確認します。

Google マップには、ストリートビューという現地の写真を確認できる機能があります。ストリートビューを利用して道幅と建物の高さ、横断歩道の位置を確認します。私の場合、スーパーマーケット周辺の右折入庫可能か、自転車が停めやすいか、横断歩道があるかといった道路事情を確認しました。

2. その街の情報を集める

Google マップだけではわからない、災害に対してどのようなリスクがあるか、その地域の成り立ちなどを調査します。各自治体はハザードマップというものを出していた、不動産の契約のときには必ず提示されます。多くの自治体は、インターネットから確認でき「XXX市 ハザードマップ」と検索すると、簡単に閲覧することができます。ハザードマップはあくまで想定なので、赤い場所が全て危険と除外するのではなく、判断材料の一つにするといいと思います。その赤く塗られている部分の中でもより危険な場所はどこか、その災害に対して自分の家は対策をしているかなど総合的な情報をもとに判断するといいと思います。最初に記載しましたが、例えば毎日ハザードマップが赤く塗られた勤務地に通うために片道1時間かける、というのは大変だと考えています。

ハザードマップに関連して、周辺地域の高低差も意識したほうがいいです。高低差があれば、そこは坂になっているので歩いてもしくは自転車で登るのは大変です。また、雨をふくむ水は高いところから低いところに向かって流れていくので、低く窪んだ土地は水が溜まりやすく湿気も溜まりやすいです。水や湿気があると虫が集まって来たり、不快な匂いになったり生活上のデメリットが多くなります。

その地面のでき方も合わせて気にした方がいいと私は考えています。山が削られて大地となったのか、山から砂が流れて来て積もった土地なのか、人工的に埋め立てた土地なのかそれぞれによって特徴が違ってきます。わかりやすいのが埋立地で、大きな地震があるたび液状化現象と呼ばれる現象のニュースがされています。埋立地は、新しく整備されて見た目が綺麗なことが多く、地価も比較的安いので魅力的です。一方で建物の沈下や水が吹き出してきたりするリスクもあると理解しておくべきです。

昔の地図を見るのも有効で、先人の知恵が詰まっています。昔は今より治水・土木の技術が十分でなかったため雨による川の氾濫や土砂崩れが頻繁に起きていました。そのような土地は当然危険であり多くの場合、人が住む地域となっていないです。昔から人が住んでいた場所を見ることで、住んでいなかった地域には何かしらのリスクや住みづらさがあったのではないかと考えることができます。新しく開発された街でもいい街はありますが、災害に対する強さ、交通の便、地域交流・文化などを考えると私は昔からの街の方がいいと考えています。

高低差やその地面の成り立ち、昔の地図を確認するには、地理院地図 で確認できます。色別標高図、数値地図25000(土地条件)、20万分1土地利用図(1982~1983年)あたりを確認するとよいです。手前味噌で恐縮ですが、https://gsi.polyomino.jp/ というウェブサイトを作っているので、これらをまとめて確認することができます。

3. 現地へ行く

インターネットは便利ですが、実際に行ってみると雰囲気が違っていた、昼と夜とでは雰囲気が変わる、道路や飲食店の音がうるさいなど現地に行かないとわからないことも多いです。インターネットの口コミはあくまでその人の感じ方なので、口コミをみるよりちゃんと行って確認する方がいいです。

私は現地に行って、時間帯ごとの歩いている人の年齢や服装、スーパーで販売されているものと値段、地域の掲示板に張り出されている案内などを中心に確認しています。学生が多ければ学生向けマンションの近くはうるさくなりそう、高齢な方の比率が圧倒的に多ければ高齢者向けの政策が今後積極的に行われそうだな、など考えられます。普段の買い物をするスーパーマーケットは、当然安くて良いものがいいので事前調査。地域の掲示板はその地域の防犯ニュースやイベントが張り出されていることが多いので、そこのコミュニティに入りたいか考える情報の一つとなります。

住む家を決める

情報収集

とりあえず suumo を見ます。検索条件は、絶対に外せないものだけを設定すると、広く調べられていいと思います。私は家賃N万円、間取り、築年数、RC造、洗面所独立だけ入れて調べました。インターネットは、賃貸業者が把握していないことや実情と違っていることがあるので、この段階では入れません。

インターネットがちゃんと光に対応しているか見るには、NTT 東日本NTT 西日本 のウェブサイトから場所を入力します。ここで、1Gbps のプランが表示されていない場合、インターネットが遅い可能性があるので除外します。戸建ての場合、もしかすると光回線を引ける可能性はありますが手間がかかります。集合住宅の場合、マンション内の通信の話も関わってくるので簡単ではないです。1Gbps って書いていればOKぐらいの判断でいいです。

最後に、興味があれば事故物件情報検索サイトを確認します。ただ、情報が間違っていることもあるので見なくてもいいです。心配があれば、契約時に不動産業者に確認するといいです。 https://www.oshimaland.co.jp/

内見する

いままでの調査をもとに、その内容が正しいかの最終確認を行います。

私の場合、家で仕事をするので隣の部屋に声がとどかないよう RC 造を選びました。ただし、RC 造といっても隣の部屋との仕切りにコンクリートが入っていないケースがあるので、壁を叩きながらコンクリートが入っているか確認します。上下についても可能であれば確認します。朝と夕方など、上の人が動く時間を狙って内見させてもらいます。

最上階は熱が籠る、一階は床が冷たい、三階ぐらいまでは虫が出る、エアコンがあるか、光コンセントがあるか、掲示板にどのような張り紙があるかから想定されるこのマンションの事情は、など考えながら自分が納得できる部屋・家を選びます。

まとめ

私の手法のポイントは、以下です。

  1. 自分の生活について見つめ直す
  2. その生活がしやすい場所について、地図を見たり現地に行って情報収集
  3. 総合的に自分が最もよいと思うものを選ぶ

その人が置かれている事情はそれぞれであり、それも時間によって変化します。この方法が絶対というものはないので、その時その時に合わせて考えて、生活の仕方を工夫したり新しく選びなおしたりしていくと良いと思います。

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